2012年4月19日木曜日

愛を乞う猫


これは新しいゲームなのかな?
かくれんぼなのかな?

パパとママが僕の前から
姿を消してもうどれだけの時間が経ったんだろう?
それにしてもお腹が減ったな。

「お外は危ないよ。」ってあんなに言ってたのに・・・


僕が人や犬を怖がって
物陰に隠れすぎちゃったんだ!
だからパパもママも僕が見つけられなくなったんだ!
きっとそうだ!

僕は勇気を振り絞って通りに出てみることにした。
あまりに腹ペコなのでゴミ箱から
お弁当の残りを少し頂くことにした。
カラスが飛んで来た。
窓越しには見ていたけれど
カラスってこんなにデッカイんだ。
怖いからお弁当はカラスに譲ることにして
一先ず撤退しよう。


ここは大きなスーパーマーケットと駅がある。
人通りが多いから
パパとママが見つかるかもしれない。

僕がウロウロと街を彷徨っていると
道行く人が
紙皿にカリカリを入れてくれた。
久しぶりにちゃんとした食事をしたので
とても美味しかった。


日が欠けてくると
急に寒くなってくる。
風ってこんなに冷たかったんだ。
早くお家に帰りたい。
パパとママは何をしてるんだろう?


ここ数日、
白衣を着たおじさんがふたり、
僕の様子を見に来てくれている。
朝はカリカリをくれて
夜にはマグロの缶詰をくれた。


その日は凄い風だった。
夕方からは雨も降って来た。
白衣を着たおじさんが
夕食を持って様子を見に来てくれた。

毎晩、ビクビクしながら眠るのは辛いから
僕は思い切って
頼んでみることにした。

「お願い!僕をおじさんのお家に連れて帰って!」
僕は一生懸命にお願いした。

でもおじさんたちは
「ごめんね。連れては帰れないんだ。」
そう言って僕の頭を撫でてくれた。

きっと何か僕を連れて帰れない事情があるんだ。
僕は残っていたマグロの缶詰を食べた。
雨の雫なのか、
僕の涙なのか、
さっきよりマグロの味が少しだけしょっぱかった。

おじさんたちは何度も僕の方を振り返りながら
帰って行った。

今晩は嵐になりそうだ。
今夜は何処で眠ろうか?


あそこで寝よう。
あそこなら少しは雨風が凌げそうだから。

パパ、ママ、僕は捨てられたの?

僕が良い子じゃなかったから?
だったら
もっと良い子になるから迎えに来て!
ここは寒いよ。